音律を考える時ハーモニーの基礎になる長3度の響きがポイントになります。
「ハ」から長3度を重ねると「ホ、嬰ト、ハ」となります。
平均律の長3度は 400 セントですから オクターヴ上の「ハ」は 400 +400 +400 = 1200 です。 

ところが純正の長3度は 386 セントですから 386 +386 + 386 = 1158 になってしまいます。
1200 と1158 の差 42 を均一に 14 づつ広くとったものが平均律です。
差の 42 を不均一にとると、何種類もの音律が考えられます。
ミーントーン、キルンベルガー、ヴェルクマイスター、シュリック、ヴァロッティ、ナイトハルト、ケルナー、ビレター、等々無数の人達が知恵を絞りました。
12等分平均律はたったひとつ、不等分音律は無数にあるわけです。

「ハーホ」の純正3度の響きは唸りがなく、誰にでもハモりやすい和音ですが、これをピアノで音取りすると、純正の 386 セントより、14 セント広げて平均律の 400 で歌うはめになります。
純正をわざわざ狂わせて歌うのですから非常に難しい上に、綺麗な響きとはいえません。

平均律の長3度についてゾルゲ(1703生)は「あまりに耳障りである。これは杓子定規の調律に由来するものであり、長3度はその犠牲になっている」と述べました。
また他の平均律反対論者も「ひどい3度の絶叫」「快い響きという法則を故意に否定するもの」「非音楽的な人の耳をも汚す叫び」等の意見をのべました。