1オクターヴを12の鍵盤に適度に分割する方法を音律と言います。分割方法は大きく2つに分かれます。それは均等と不均等です。
均等は平均律ただ一つ、不均等には無数の音律が考えられます。不均等から均等への移行は西洋音楽史に大きな溝を作るものです。

平均律は1オクターヴを力ずくで12等分した機械的な調律ですので純正の音程が全く含まれておりません。すべての長3度が等しく純正より14セント広く、他の音程も等しく狂っています。

不均等のひとつであるミーントーンは純正3度をもつラミス音律にヒントを得て、アーロン(1480生、イタリアの理論家)が確立しました。純正3度はツァルリーノ(1517生)らによって大いに普及し、バッハの時代はほぼミーントーンでした。写真はケレタートが考案した図表です。266548e6.JPG
図表の下段、長3度の棒グラフを見ると C D A E F B Es が純正との差0セント、つまり純正の長3度であることがわかります。
両端の As Des H Fis は+42 セントもあります。
平均律ですら長3度は+14 セントなのですから、これは法外な長3度です。
上段の棒グラフは5度を表しています。As だけが+36と極端に広くなっています。
これは狼が吠える声の意味でウルフと言われ、聴くに耐えない音程になります。
図表からも見て取れる通り、ミーントーンは#♭の少ない調は美しく響きますが、#♭が増えるとウルフが出てくるなど、使用不可能になります。