バッハの自筆譜「すべては神とともにあり」は、アンナ・アマリア図書館の壊滅的な火災の中、幸運な事情で損傷なく残されたヴァイマールの祝祭行事書類の中からMichael Maul博士によって発掘されました。それは過去何十年で最も重大なバッハ資料の発見で、詳しい報告は「バッハ年鑑2005」の巻頭論文として発表されました。

来る8月4日14時  山口県旧県会議事堂 にてライプツィヒよりMaul 博士を招き、発見にまつわる講演会を開催します。

アリア「すべては神とともにあり」はバッハが仕えたヴィルヘルム・エルンスト公爵の誕生日を祝い、ヴァイマール近郊のブットゥシュテット教区長ミリウスが献呈した詩です。信仰の厚い公爵のモットーである「すべては神とともにあり、神なしでは何もない」という12節の詩は第2行の3番目の言葉がそれぞれ変えられており、1節から順に読むと公爵の名前 WJLHELM ERNSTの12文字を読み取ることができます。最後の二ページに手書きの総譜がありますが「ソプラノ独唱アリアとリトルネッロ」という表題のほか作曲者名はありません。勿論、筆跡鑑定になんら疑いはなく、バッハの直筆であることが証明されました。

世界中に大きく報道されて有名になったアリア「すべては神とともにあり」は、2005年7月、ミヒャエル・マウル博士立ち合いのもとで、ジョン・エリオット・ガーディナーがCD録音を行い、続いてトン・コープマンがアムステルダム・バロックオーケストラと、また鈴木雅明がバッハ・コレギウムジャパンと録音し、現在すでに15枚を超えています。
8月4日は講演のあと、ミヒャエル・マウル博士のヴァイオリンと、やわらかなバッハの会(Soft Bach Society)の演奏でお届けします。