太陽は未だかつて一度も東から昇ったことはない。
西に没したこともない。
本当は、地球が東に向かって自転しているのである。
太陽は動かない。

月は未だかつて一度も曇ったり欠けたりしたことはない。
雲がかかっっていても、月はいつもまん丸でこうこうと照り輝いている。

このように「現実と真実」は違う。

バッハ「平均律クラヴィーア曲集」の中には様々な調があるが、
ト長調の方がへ長調よりも明るいとはいえない。
楽譜上の現実として、シャープ系の方がフラット系より明るく見えるだけである。
真実は、平均律の鍵盤楽器においてどの長調も皆同じように明るいのである。

同様に、変ロ短調がニ短調よりも暗いとは言えない。
楽譜上の現実として、フラットの数が多いほど暗く見えるだけである。
真実は、平均律の鍵盤楽器においてどの短調も皆同じように暗いのである。

このように「現実と真実」は違う。

平均律の鍵盤楽器で「平均律クラヴィーア曲集」を弾く場合、長調と短調の2種類の調があるだけである。現実を見ずに真実を観ましょう。
「見る」は肉体の目で見ること、「観る」は肉体の目を閉じて心の目で観ること。