今日調性格と一般に信じられているものの起源は教会旋法の性格です。

プリンツ(Printz 1641 〜1717)が主張した教会旋法の性格
 
 イオニア旋法・・・・陽気で活発
 ドリア旋法・・・・・温和、敬虔
 フリギア旋法・・・・非常に悲しい
 リディア旋法・・・・過酷、不親切
 ミクソリディア旋法・・陽気、いくらか穏健
 エオリア旋法・・・・・穏健、優しい、いくらか悲しい

 [キルンベルガー著 純正作曲の技法 東川清一 訳]


イオニア旋法は長旋法、エオリア旋法は短旋法と呼ばれました。

長調が明るく、短調が悲しい性格をもつのは、まさにイオニア旋法とエオリア旋法のアフェクトです

各旋法は1オクターヴ12の半音を主音としてもつことができます。
イオニア旋法12、エオリア旋法12、合計24です。

そして調性圏踏破の頂点をなすものが1722年に完成したWTC第1巻(平均律クラヴィーア曲集)です。

つまり、WTCは12の長調と12の短調が網羅されていますが、本来はイオニアとエオリア2つの性格しかありません。

あるいはこうも言えるでしょう。
WTCのプレリュードはフーガの前奏曲ではなく、完全に独立しており、それぞれが個性的ですから、WTCには96の性格があると言っても過言ではないでしょう。